【BW1~ORAS 単体考察】フライゴンの型について

 

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↑ 5世代フライゴン君の奇妙な動きを注視する6世代フライゴン君(サムネ用)

 

 

(1) 概要

5世代は襷、6世代は鉢巻き持ちの個体ばかり目にします。

無論、構築単位で見た時に担う役割として襷や鉢巻きの方が良い場合もあると思いますが、自分は最もその性能を生かせ、最も広範囲のポケモンに対して汎用的に活きるフライゴンの型は、性格がS上昇補正でスカーフ持ちの物理型であると考えています。

 

そして、ただそういった考えを持つだけでなく、元々襷派であったフライゴン好きの親友に自身のスカーフ派の教えを説き見事布教させた実績()を持っているのですが、その際に挙げた理論の大筋を適宜補足しつつ以下に記します。

 

 

 


(2) 襷が活きる型の決定力不足(6世代)

1. 襷が活きる型

これは、逆鱗ではなく流星群をメインウェポンとし、残りが大地の力or地震/大文字or火炎放射/蜻蛉返り/フェイント/エッジor岩雪崩/毒々/馬鹿力(BW2~)等から選択された、技範囲や対ドラゴンのタイマン性能を活かした特殊ベース型若しくは役割破壊両刀型です。

(逆鱗切りで地震がメインウェポンの物理ベースの襷持ちは言うまでもなく火力不足なので、ここでは流星群持ちのみに言及したいと思います)

 

 

逆鱗をメインウェポンとした型が襷持ちとしてあまり相応しくない理由は以下の2点になります。

 

①相手側に素早さが負けている場合、固定技のため(フェイントが撃てずに)1度しか攻撃出来ないため相手も襷だった場合は上から2回殴られるか、接触技のため鮫肌で襷が削られることで負けてしまう(主にガブの鮫肌が解禁されたBW2以後)ので、対ドラゴン枠として微妙。

 

②鮫肌・鉄トゲやゴツメ持ちを後投げされるだけで襷が意味を無くしてしまうだけでなく、そこで技が固定されてしまうことで折角の技範囲が全く無意味となってしまうので、役割破壊型として微妙。

 

 

 

2. 特殊型の火力不足

さて、両刀の場合当然フライゴンは火力不足になるわけですが、結局最終的に耐久種族値の暴力にやられて一体も落とせないという決定力不足に悩む結果となる可能性が高いので、明確に設定した仮想敵がサザンドラの下位互換とならないように構成した役割破壊両刀型以外は、基本的にAorCに振り切らないと数値が足りません。

 

更に、6世代においては、特殊方面に特化しても最大火力である流星群ですら威力低下と耐久インフレにより火力不足となってしまいます。これによって、命中不安定技の攻撃回数が増えたり、Cダウンによって起点になりやすいというデメリットが色濃く出てしまいました。

 

加えて、6世代ではメガ進化を含めるとあまりにも多くの高速アタッカーが登場してしまったため、フライゴンでは明らかに素早さ不足であり、また彼等は並以上の耐久を有しているため、仮に1発襷で耐えたとしてもフライゴンの反撃では落としきれないことが多々あります。(具体的なダメージ計算はご自身で御願いします)

 

よって、「攻撃技の通り」・「火力」・「素早さ」の3つを主要素とする「決定力」の内、フライゴンには少なくとも後者の2要素が無いので、6世代襷フライゴンには決定力が無いという結論となります。

 

 

(対ドラゴン性能の低下)

5世代では、フライゴンは以下のダメージ計算のように高速アタッカー系の無振りラティオスに対するカウンターとして機能することが出来ていました。

 

212 SpA Flygon Draco Meteor vs. 0 HP / 0 SpD Latios: 156-186 (100.6 - 120%) -- guaranteed OHKO

 

 

しかしながら、以下のように6世代では流星群で安定的にラティオスを倒すことが出来なくなってしまいました。この事例は特にフライゴンの火力不足がお分かり頂けるものだと思います。

(80%以下の確率は信用不可能であるという思考を前提としています)

 

6世代:252 SpA Flygon Draco Meteor vs. 0 HP / 0 SpD Latios: 152-180 (98 - 116.1%) -- 87.5% chance to OHKO(命中率込みで78.75%)

 

 

「6世代でもフェイントを撃てば確定じゃないか」と思われるかもしれませんが、ラティオスは素早さが速く残しておく価値があるため、この流星群1発で仕留め損なうと(特に持ち物が襷であると割れていた場合は)フェイントを警戒されて逃げられてしまう恐れが十分にあるので、これは避けたい展開です。

 

無振りラティオスですらこの始末ですから、耐久に割いたドラゴンや無振りの拘り系ラティアスを倒すのは、ステロを撒くか諦めた方が良いと思われます。(そもそもこの2体には瞑想や身代わりを先手で撃たれるだけで起点にされてしまうので、襷持ちの特殊型では安定して勝てないのですが。)

 

 

 

 

(3) 襷が活きる場面の少なさ

襷が活きるのは、主に①初手に投げる場合か、②(主にストッパーとして)死に出しした場合になりますが、①の場合は蜻蛉や馬鹿力にゴツメ・鮫肌持ちを合わせられたり、②の場合は強引にステロを撒かれたりして、襷という持ち物が結局無駄になってしまうという展開が多く発生すると思います。

 

勿論、胞子・ステロという優秀な後続サポート技を持ったガッサ・ガブを代表とした、高火力故にタイマン性能も高く、初手投げで何かしらの仕事はこなせるポケモンの場合は襷でも普通に強いです。

 

しかしフライゴンの場合は、低火力且つ素早さもあまり高くないため、大抵はガブリアスサザンドラといったポケモンの対策序でにメタられてしまっており、タイマン性能どころか受けが簡単に成立してしまう上、優秀な後続補助の技もありません。

 

5世代に関しては、メテオガブでお馴染みガブと同じ種族値だけあって最低限の火力はあり、更にガブや雨グドラを止めるのに一役買っていた印象です。しかし、時々いる身代わり持ちの個体には対応出来ておらず、それを上から張られると負けてしまうので、安定はしません。

 

 

 

 

(4) 鉢巻き型について

これに関してはあまり言うまでも無いのですが、元々自分より遅いポケモンへの確定数は実は大して変わらず、結局そこそこの固さの受け要員にも受け切られたり、鈍足ポケモンに耐えられた後の反撃でやられてしまいます。

 

そのため、①拘っているが故に起点になりやすい、②逆鱗や地震を透かすために後出しで出てくる可能性のあるポケモンに対する交代読み()を強いられやすく安定的な試合運びが期待出来ない、といった弊害の方が大きいかと思います。

 

1番の難点は、折角ある程度の火力を持っていても、素早さがそこまで速くないため上から一撃で倒されてしまうという点です。

 

 

 

 

(5) 襷・スカーフ型のメリット・デメリット

ではフライゴンの彼等との差別化点とは何なのかと考えると、それは、優れたタイプと特性を併せ持つ事で、地面・電気という2つのタイプを無効化しつつ半減も多いという「耐性」と、安定行動を生みやすい「蜻蛉帰り」を取得するという点、「役割範囲」が広い点です。

 

このうち、襷は「役割範囲」を活かせる反面点、襷という持ち物の性質と素早さ不足により「耐性」と「蜻蛉帰り」を活かし切れません。

一方、スカーフ型は「役割範囲」を多少犠牲にする反面、その素早さにより「耐性」と「蜻蛉帰り」を最大限活かすことが出来ます。

 

結論としては、5世代では「役割範囲」を上手く用いれば襷もありだが、6世代ではスカーフ型推奨であるということなのですが、ここではスカーフ型のメリットを列挙していこうと思います。

 

①ステロを撒かれている状態でも、ガモス/ガブ/カイリュー/ギャラ/オノノ/メガリザ/メガルカリオ/メガカイロス/耐久メガマンダ等々に剣舞・蝶舞・龍舞・ニトチャをされても切り返せる。(特にリザやガモスには後出しから勝てる可能性を持つ)

 

③ボルト・サンダース・ライボルト等の高速電気タイプの電気技を透かした上で、めざ氷を受ける前に上から殴れる。

 

④ステロを撒かれている状態でも、対サザンドラ性能が高い。
(5世代では、珠サザンドラより遅いポケモンでは殆ど対応出来ない程鈍足に対する高い制圧力を誇るポケモンなので重要事項)

 

⑤100族以上の速さを高速アタッカー(カエル・サル等)に蜻蛉を撃ち、襷を潰しつつ後続のポケモンに繋いだり、そのタイプ耐性の優秀さによりその耐久型ポケモンの引き先としても使えるため、サイクル戦に参加しやすい。

(最大のメリットです。なお、これを主張していた頃はスカーフゲッコウガなどというものは殆ど皆無で、殆どが襷や珠等の火力UPアイテムで占められていました。)

 

この⑤の意味で、XYの頃に使用していた眼鏡ドランやジラーチパのジラーチとの組み合わせは中々良かったです。

 

 

 

以上になります。ここまで目を通して頂き、ありがとうございました。

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