本記事では、使用者がいないにも等しい「威嚇意地っ張り鉢巻マンダ」と、その取り巻きとしてカビヤドランを添えた『マンダカビヤドラン』を1つの軸として組み込んだ『ユキトド構築』の構築紹介をさせて頂きます。
[構築経緯]
HGSS~BW1の頃は、主に中堅~強ポケ辺りをメインで採用しフリー対戦に潜っていました。しかし、BW2に入った頃から6~7割の勝率で頻繁に負けるのが段々と嫌になり、厨ポケを使ってでも本気で勝ちに行きたいと思うようになりました。
そこで、強いPTというのがどのようなものであるのかを知るため、初めてネットで強者のブログを漁るという行為を始めた結果、無垢な小学生の頃好んで使用していたボーマンダ・トドゼルガ・カビゴン入りで勝率も非常に良い構築を見付けたので、まずは同様のPTを育成して回しました。それが、下記リンク先の喰い断さんのブログです。
次に、喰い断さんがそのブログやニコニコ動画にアップロードされている内容を全読破・全視聴することで、勝つために必要な思考回路を学びました。また、並行して「当構築のそれぞれの努力値配分が、何故彼の比較的安定した勝利に繋がっているのか」を分析しつつ、「より効率の良い配分はないのか」を探求すべく、毎日親の目を盗んではPCの置いてある遠方の部屋へ行き、頻繁に怒鳴られつつもひたすらダメージ計算を重ね続けました。
その結果、使用ポケモンの全体的種族値上昇、2年弱の実戦経験・動画視聴による下積み期間に加え、喰い断さんへの研究成果が重なったことで、勝率は急激に跳ね上がりました。
にも関わらず元の構築を弄ったのは、以下の3つの理由からです。
①始めから丸パクリまでは練習段階と割り切っていて、意表を突くようなオリジナリティを発揮しつつ、ボーマンダを軸としてもっと活躍させられるよう練り直したかったため。
②やたらと時間を食うユキトドは極力選出したくなかったので、ユキトド以外の軸もPTに組み込みたかったため。(負け確なのにも関わらず降参してくれない方が非常に多かったです。)
③ローブシン・キノガッサ・マンムーの強化等、BW2環境が向かい風になっている感が否めなかったため。
[構築内容]
ユキノオーは喰い断氏の型と完全に同じものであり、技や努力値は多少異なりますがトドゼルガ・カビゴン・ヤドランに関しても型の趣旨は殆ど同じなので、詳細を知りたい方は是非喰い断さんの記事も併せてご参照下さい。
①ユキノオー [雪降らし] @襷
NN:ゆきのシン
控え目 165-*-95-146(164)-121(124)-108(220)
吹雪/草結び/宿り木/守る
ミラーの吹雪の撃ち合いに強いノオー。
草結びを採用したことで、バンギラスやスイクンに対して強く出ることが出来ます。
NN:☃シェフ☃
図太い 209(180)-76-144(172)-110-105(156)
身代わり/守る/吹雪/ †絶対零度†
H:16n+1
B:身代わりが補正ありA4振りバンギラスの地震87.5%耐え
身代わりが補正無しA4振りバンギラスの噛み砕く31.2%耐え
S:凖速ラッキー抜きのポケモン抜き意識
無振りロトム抜かれ調整
ダイブボール入りA05Vの野生産。卵技無しであることが露呈しますが、無限トドに採用されがちな技も特に無いと思ったので採用しました。
1ウェポンの枠が波乗りの型をよく見ますが、まもみがが安定しないポケモンの攻撃を1発耐えて反撃で倒す際、吹雪はその広範囲・高威力・必中仕様・追加効果があり強いので、自分は此方を推します。
なお、喰い断さんのトドゼルガはH208なのですが、自分は209にしました。それは、身代わりの試行回数を1回増やすことで、霰ダメを稼ぐだけでなく、バンギラス等の攻撃を身代わりが乱数耐えor回避するという勝ち筋を劣勢時に拾うためです。
喰い断さんの調整意図は下記リンク先に記されています。
③ガブリアス [鮫肌] @スカーフ
NN:グロリアス
陽気 183-182(252)-116(4)-*-105-169(252)
B:A181テラキオンの
鉢巻インファ…86.9%~102.7%
エッジ+インファ…24.4%~28.8%+58.6%~69%
珠インファ+石化…76%~89.6%+16.8%~20.6%
ボルチェン・蜻蛉・ステロ・岩技に強く出られる優秀なポケモンです。
このポケモンの最大の使命は「速攻アタッカーを先制で落とすこと」なので、Aは削りませんでした。また、カビを起点にカイリューやオノノクスなどに舞われると厄介なので、最速にしています。
100族以上は比較的柔らかい&中火力ポケモンで占められているので、裏の受けポケや天候で少しでも削っておけば、陽気の方が優秀なエースとなります。
ちなみに、鮫肌解禁により、ヤドラン不在時にも一応後出しから襷テラキオンに勝てるようになりました。ただ、基本的にはヤドランで受けるので関係無いのと、結局霰ダメを考慮すれば落ちてしまうので、耐久には割いていません。(そもそもテラキオン入りPT自体にあまりマッチングしませんが…)
④ボーマンダ [威嚇] @鉢巻
NN:もこマンダ
意地 171(4)-205(252)-100-*-100-152(252)
逆鱗/地震/瓦割/寝言
A:
・逆鱗
無振りカイリュー確1
対面構築のハッサム(H165・B133)…47.2%~55.7% 乱数2発(76.6%)
B振りローブシン…79.5%~94.4%
H157B100振りロトム…120.3%~142%
図太いHBクレセリア…48%~57.2% 乱数2発 (91.8%)
図太いHBポリゴン2…46.8%~55.2% 乱数2発 (69.5%)
H181B161ナットレイ…35.3%~41.9%
H振りヒードラン…41.4%~48.9%(受け出しからの身代わり始動不可)
・瓦割り
H振りバンギラス…129.4%~152.6%
前出のナットレイ…59.6%~70.7%
前出のヒードラン…69.6%~82.8%
B:威嚇込み鉢巻ハッサム(A199)のバレットパンチ2耐え…39.1%~47.3%
S:最速ロトム抜き
ハッサムや削れた鋼タイプとの対面で、比較的安定して逆鱗をぶっパ出来る点を最大の強みとします。また、バンギラスに強いのも他のマンダとの差別化点です。
逆鱗は、鋼ポケモン以外をほぼ確2にすることが出来る大技で、特殊型・特殊ベースの両刀型が全体に浸透しているマンダの炎技・地面技を警戒して鋼が引き、ドラゴンや耐久系ポケモンが出てきたところに逆鱗が刺さります。これが一見交代読みに見える行為であることや逆鱗で固定されていることから、相手が鋼を戻してくる場合が多いのですが、此方側からすれば安定行動なのでそのまま両方狩れるという算段です。
なお、この構築の並びを見てもらえば分かって頂けると思うのですが、ハッサム入りPTを使用している方が必ず初手にハッサムを投げたくなるようなものにしています。所謂選出誘導というやつで、これがこのボーマンダを刺すための肝になっていたと思います。別の構築にこのボーマンダを取り入れる場合は、初手ハッサムで比較的安定しやすいユキノオー・バンギラスを取り巻きとした構築をお勧めします。
※ BW2ではガブリアスの鮫肌が解禁され、陽気最速でもハッサム対面で実質同様の調整が可能となりました。
此方は電気技の一貫を切れるメリットがありますが、ボーマンダには以下の差別化要素と採用意義があります。
①地面技の一貫切り
②威嚇要員として後続のカビヤドランの負担の軽減
③クレセリアの突破
(実際に別構築で使用していた調整個体)
ガブリアス @鉢巻き
NN:デスリアス
陽気 187(28)-170(156)-124(68)-90-106(4)-169(252)
A:鉢巻き逆鱗2回+鮫肌2回でH振りハッサム確定
B:A200ハッサムの鉢巻きバレパン2耐え
S:最速
⑤カビゴン [厚い脂肪] @オボン
NN:(~ー~)
勇敢 248(100)-154(76)-97(92)-86(4)-160(236)-45
(生意気 248(100)-154(188)-97(92)-86(4)-160(124)-45も可)
恩返し/馬鹿力/追い討ち/大文字
A:
・恩返し
H252B68振りガモス…48.9%~58.3% 乱数2発 (98%)
H84振りグドラ…48.4%~57.7% 乱数2発 (92.6%)
・馬鹿力
H252振りバンギ…104.3%~123.6%
・追い討ち
B4振りラティ… 59.3%~70.9%
・大文字
H252D4振りムドー…50%~59.3%
H252振りハッサム…88.1%~106.2% 乱数1発 (31.3%)
D:
C161グドラの珠ドロポンオボン込み2耐え
C161グドラの眼鏡波乗りオボン込み2耐え
C182ラティの眼鏡流星オボン込み2耐え
⑥ヤドラン [再生力] @ゴツメ
NN:ちゅうトロ
図太い 201(244)-*-176(236)-124(28)-100-50
サイコキネシス/大文字/冷凍ビーム/電磁波
B:
A200ガブの逆鱗…38.8%~46.2%
A182ガブの地震… 28.8%~34.8% 乱数3発(10.4%)
A181珠テラキのエッジ…37.3%~45.2%
C:
・サイキネ
意地っ張りHDローブシン…50.9%~60.3%
H4振りマンムー…42.4%~50.5% 乱数2発 (1.6%)
・大文字
生意気H252D108ナット…75.1%~90.6%
・冷ビ
H4振りガブ…93.4%~110.8% 乱数1発 (62.5%)
H140D28ガブ…81.5%~97.5%
ユキトドが弱点とする岩格闘メタで、カビマンダとの相性補完も良いです。
電磁波は、地面を呼びにくいヤドランと相性が良く、有利対面で打つことで全体的な鈍足をカバーします。
(NNは、sh@ke氏のものが気に入ったのでそれをそのまま使わせて頂きました。)
[マンダカビヤドランの立ち回り]
基本的には初手マンダ。(語感の良さにも関わらず『カビマンダヤドラン』とは呼ばない理由です)
まずは、ヤドランで有利対面を作り麻痺を撒き散らしつつ、安定行動を重ねながら回し続けます。麻痺を撒くことで、此方が上を取れるようにしつつ、被交代読みのリスクを減らしています。そして、此方が先に1匹崩してサイクル有利にしてから詰めていくというのが基本的な動きです。
・カビマンダはコバルオン・ビリジオン等の広範囲ポケモンにやられやすいので、ヤドランは大切にして立ち回ります。
・毒・鬼火等が辛いので、相手ポケモンがマンダの逆鱗で倒せるHP域なら、仮にその後後続に狩られたとしても逆鱗をぶっパします。
[使用結果]
あまりにもWi-Fi環境が劣悪であり、此方が勝った試合や本来勝てた試合に偏って毎試合のように切断してしまったりされたりしていたので、もう諦めてレートには殆ど潜っていませんが、秋に少しだけ潜っていた時は1670-1770辺りをうろうろしていました。
そのため、一応達成した数値としてタイトルに1750達成と記しはしましたが、本当はもう少し上に行けたと思うので悔しいです。
2019/2/28 追記:
当時は1800以上は無ければ低レートだと思っていた事と、そもそも写真を証拠としてブログに添付するという慣習自体が無かった(と少なくとも自分は思っている)ので、証拠写真は撮影していません。
そもそも大した戦績ではないと思っていますが、証拠は出せないものの、これが一応事実であることは断言しておきます。
なお、
①フリー対戦に比べ、レーティング対戦はあまり盛んではないこと
②過剰に切断すればランキング除外対象になるものの、実機画面のレートの数値はそのまま加算されていくこと
③多少切断してもレートが維持され、ランキング対象から外れないこと
から、5世代環境のレートの数値というのは不正まみれであることもあり、正直言って大して参考にならないと考えています。(念のため言っておきますが、僕自身が不正をしていたということではありません。)
ちなみに、フリー対戦の勝率は、本構築や中身を動かした他多数の構築でも9割強~9.5割強だったので、こちらはレートのランキングよりも遥かに参考になりません。
[使用所感]
使用結果の項ではもう少し上に行けたかも知れないと言いましたが、それはあくまでもWi-Fi環境の話であって、構築自体の完成度としては正直なところ喰い断さんが挙げているユキトドサンダー・ユキトドカビマンダの劣化だと思います。
というのは、勿論相手の行動回数を増やし試行回数を稼いではいたものの、完全にベストタイミングでの電磁波麻痺で運勝ちした試合も数多かったからです。「ユキトドは雨・砂に比べて弱いはずなのに何故か勝てる」と喰い断さんは仰っていましたが、その「何故か」の部分をより押し広げてしまった構築であると言えます。
端的に言えば、自慢の「威嚇意地っ張り鉢巻きボーマンダ」で意表を突くという、ただその1点に楽しさを見出してしまった自身の自己満足で出来上がった穴だらけの構築です。
以下にその穴を記します。
・ステルスロックによるサイクル負担・ダメージずらしに非常に弱い。
・過多な交代読みや役割集中をされると厳しい。
・対面構築系には比較的強いが、ロトム・ノンテイ等の高速ポケモンがバラ撒く状態異常がキツい。
・思っている以上にカビの特殊耐久が脆いので、サンダー等を相手にすると厳しい。
・ヤドランの物理耐久が際疾い。
∵) BW2でマンムーの厚い脂肪が解禁されたことによって大文字が等倍になったため、(極稀に落ちるが)サイキネ2発を耐えられ、地震3発で突破されてしまうという中々残念な事態が発生するので、ボーマンダの威嚇でサポートするしかない。また、ドラゴンの鉢巻き逆鱗を受けられない。
あ、ちなみに自分はホワイトで潜っていたので、霊獣フォルムも全て化身フォルムの姿で見えて区別が付かず、非常に苦戦を強いられました。さっさとブラック2に輸送すれば良かったです。
以上になります。ここまで目を通して頂き、ありがとうございました。
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